
楽しいことだけ調べていると、途中で必ず「待てよ」と思う瞬間が来る。
在庫ゼロ、リスクなし、自動で発送。そんな夢みたいな話ばかり読んでいた俺が、少し深いところまで掘り始めたら、次々と「ただし」が出てきた。
うまい話には裏がある、とは昔から言われている。全部が罠というわけじゃないが、知らずに踏んでしまう地雷はある。
今回は、俺が調べてわかった「グッズ販売の注意点」を、自分への戒めも込めてまとめておこうと思う。
まだ何も始めていない俺が書くのもおかしな話だが、動く前に知っておいたほうがいいことは、動く前に知っておきたい。
「在庫ゼロ=自動で稼げる」は幻想だった
まず、一番最初に認識を改めないといけないことがあった。
「在庫を持たなくていい」「発送も自動」というのは本当だ。でもそれは、「何もしなくてもお金が入る」という意味では、まったくない。
当たり前のことを言っているようだが、これを勘違いしている人が結構いるらしい。
商品を登録した瞬間、誰かが見つけてくれると思ったら大間違いで、インターネットの海には似たようなグッズが山ほど浮かんでいる。
何もしなければ、俺のデザインは永遠に海の底に沈んだまま誰の目にも触れない。
在庫リスクがないのは事実だ。でも「売れないリスク」は、ちゃんと存在する。
調べた情報によれば、最初の1〜3ヶ月はほぼ売れないのが普通らしい。普通、という言葉を見て、少しだけ安心した俺がいた。「最初から売れる人間が異常なのか」と思ったら、気が楽になった。
大事なのは、在庫ゼロという仕組みに甘えないこと。
「売れるデザイン」と「それを届ける集客」、この二つが揃わないと話にならない。
プラットフォームがやってくれるのは、作って・送る部分だけだ。
見つけてもらう努力は、自分でやるしかない。
著作権の話が、思ったより怖かった
調べていて、一番背筋が冷えたのがここだ。
著作権と商標権の侵害は、アカウント停止だけじゃ済まない場合がある。
有名キャラクターのロゴをそのままTシャツに刷る、というのは論外だ。でも問題は、そんなわかりやすい話だけじゃないということだった。
たとえば、AIで画像を生成するとき。「〇〇風のキャラクター」とか「△△に似たデザイン」といったプロンプトを入れた場合、出てきたものが既存の著作物に似てしまうリスクがある。
生成AIを使ったからといって、著作権侵害の責任が消えるわけじゃない。
二次創作も同じだ。好きなコンテンツをモチーフにしたグッズは、趣味で作る分には黙認されているケースが多い。だが、販売となると話が変わる。公式から許諾を取っていない限り、商業利用はグレーどころかアウトになり得る。
もし権利者からクレームが入ったら。アカウントは停止され、売上は没収され、最悪の場合は損害賠償を請求される。
怖い。シンプルに、怖い。
安全策は一つだけだ。完全にオリジナルのデザインしか使わない。
それだけを守れば、このリスクはほぼゼロになる。
俺には絵心がない。だから逆に、既存のキャラクターに頼る発想もない。シンプルな文字デザインで勝負するつもりだから、著作権の問題は比較的クリアしやすい。これは、不器用な俺にとっての数少ない利点かもしれない。
価格設定、なんとなく決めると後で詰む
「いくらで売ればいいか」というのも、甘く考えてはいけないらしい。
原価率(原価÷販売価格)をなんとなく半分くらいにしておけばいいだろう、という感覚で決めるのは危険だ。商品の種類によって、適切な利益率がまったく違う。
調べた中で出てきた目安はこうだ。
Tシャツなどのアパレルは、粗利率が25〜35%程度になりやすいらしい。利益にすれば、一枚あたり800〜1,500円くらいが現実的なラインだという。
一方で、アクリルグッズや雑貨系は原価が安いものが多く、粗利率40〜50%を狙いやすい。
ここで大事なのが、プラットフォームによって価格を変えることだ。
たとえばSUZURIは、マーケットプレイスとしての露出が強い。見つけてもらいやすい分、多少価格が高めでも許容されやすい。一方のオリラボは、自力で集客する必要がある代わりに、原価が安いため利益率を高くしやすい。
同じデザインを両方に登録しつつ、価格は別々に設定する。
これが、効率よく稼ぐための基本らしい。
あと、競合の価格を必ず確認すること。
同じようなデザインが、どのくらいの価格で並んでいるかを見ずに値段を決めるのは、目隠しで射的をするようなものだ。
複数のサービスを使うと、管理が地味に大変になる
SUZURIとオリラボを両方使うのが基本戦略だと知ったとき、「なるほど」と思った。でも同時に、「管理が面倒にならないか」という不安も頭をよぎった。
調べると、案の定いくつか注意点があった。
同じデザインを両方に登録するのは問題ない。だが、後からデザインを修正したい場合、プラットフォームによって対応が違う。
SUZURIは基本的に画像を再アップロードする必要があるらしく、手間がかかる。
送料の違いも気になるポイントだった。
オリラボは送料が一律で安いため、まとめ買いされやすいという特徴がある。
一方、SUZURIは送料の設定が商品や注文によって変わることもある。
お客さん側の「お得感」を設計するためにも、この違いは頭に入れておく必要がある。
ただ、これも「まずはテスト」から始めるのが正解らしい。いきなり全部やろうとすると、管理に追われて本来の「作る」部分がおろそかになる。
集客の話、もう少し深く掘った
前回の記事でも「集客が一番難しい」と書いたが、今回さらに掘り下げてみた。
X(旧Twitter)、Instagram、TikTok。
この三つが、グッズ販売の集客において主戦場になるらしい。
共通して言われていたのは、「自分のグッズを着用した写真や動画を投稿すること」の重要性だ。
商品ページのスクリーンショットを貼るだけでは、人の心は動かない。実際に手に取り、身に着けている姿があってはじめて「ほしい」という気持ちが生まれる。
有料広告という手段もある。1日1,000円程度の少額から試せるらしく、費用対効果を測りながら徐々に増やすのがセオリーだという。
それから、意外と見落とされがちなのが商品タイトルや説明文のSEOだ。検索して見つけてもらうためには、どんな言葉でどんな人が探しているかを意識して文章を書く必要がある。
「お金がない」と検索する人間が、グッズを買いたくなるような言葉を。
俺にできることがあるとしたら、そういうことかもしれない。
税金の話、後回しにすると本当に痛い
副業で稼ぐと、税金の問題が出てくる。
売上が年間20万円を超えたら、確定申告が必要になる。
これは多くの人が知っているようで、いざ自分ごとになると忘れがちな話だ。
青色申告という制度を使うと、最大65万円の控除が受けられる。
「控除」というのは、その分だけ税金の計算に使う利益を減らせるということだ。簡単に言えば、税金が安くなる仕組みだ。
副業として取り組む場合、勤め先の規定を確認しておくことも大事らしい。
副業を禁止している会社もあれば、申告が必要な会社もある。バレたくないなら事前に調べておくべきだ、という情報も目にした。
今の俺の規模では、まだ遠い話に感じる。でも「売れてから慌てる」のは最悪のパターンだ。知識として頭に入れておくことにした。
やってみないとわからないが、知ってから動く
調べれば調べるほど、「簡単ではない」という確信が深まる。
でも同時に、「ルールを守って、地道にやれば、ちゃんと形になる仕組みだ」とも感じている。
著作権を守る。価格を丁寧に設定する。集客を諦めない。税金から目を逸らさない。
どれも、特別なことじゃない。当たり前のことを当たり前にやる。それだけで、無駄な失敗は避けられる。
「リスクがない」というのは「何も考えなくていい」ということじゃない。リスクが低いから、その分だけ丁寧にやれる余裕がある、 ということだ。
焦らなくていい。
ただ、知ってから動く。それが、今の俺のスタンスだ。
岡根健作のひとりごと
著作権の話で一つだけ。「商標」と「著作権」は別物で、混同しがちだ。
著作権はデザインや文章そのものを保護するもので、商標は「ブランド名やロゴ」を保護するもの。
有名なブランド名に似た文字をTシャツに入れるだけで商標侵害になるケースもある。
完全オリジナルを貫けば両方のリスクをほぼゼロにできる。
面倒に聞こえるが、要するに「自分の頭から出たもの以外は使わない」というシンプルなルールだ。
執筆:岡根健作(お金検索管理人)

